利用者の ”駆血中の苦痛” を軽減しながら、普段のRICよりも長時間のRICを可能にする!
片側・両側に続いて、左右交互にRICが行える近年注目されているRICモードです。
両側同時に行うRICに比べ、左右片側交互のRICオルタネートでは、RICによる体の負担(締め付け感、血流制限によるしびれ等)を軽減でき、さらにより長い時間のRICを可能にしました。生体恒常性の働きを促進することが期待されています。
通常のRICとRICオルタネートの違い
- 片側および両側だけでなく左右交互に行える。
- 片側ずつおこなうRICなので両側同時(同時間)くらべて辛くない。
- 絶えず左右どちらかで駆血されているので、脳の生体維持反応がより期待できる。
- 高地トレーニング2ヶ月の効果と同等の最大酸素消費量が3%向上したとの報告がある。(下記:模擬競輪サイクリングパフォーマンスに対する1週間の菓子虚血プレコンディショニングの反復の効果を参照)
RICマニュアルオルタネートの動作
【1】リックマニュアルオルタネートは駆血カフとセンサーカフを交互に作動させるリックモードです。画面では駆血カフ側が220mmhgに加圧され、センサーカフ側は加圧されていません。
【2】設定時間を経過すると今度はセンサー側のカフが220mmhgに加圧され駆血側はエアーを抜いて除圧されます。
※エアーチューブの接続についてご注意下さい。
左右交互に加圧するためには、右側に駆血カフ用の透明チューブ、左側にセンサーカフ用の水色チューブを接続します。通常のリックオートで使用する方法(Y字で左右のカフに接続)だと左右交互になりません。
5分間の交互RIC(虚血プレコンディショニング)で高地トレーニングと同等の酸素消費量3%改善と報告されています。
European Journal of Applied Physiology volume 108, Article number: 141 (2010)
模擬競輪サイクリングパフォーマンスに対する1週間の菓子虚血プレコンディショニングの反復の効果:無作為化試験において、平均サイクリング力3.4%増強、VO2ピーク:12.8%向上、最大有酸素力:18.5%向上と発表されています。
Patricia C. E. de Groot · Dick H. J. Thijssen ·
Manuel Sanchez · Reinier Ellenkamp ·
Maria T. E. Hopman
【概要】
一般に虚血プレコンディショニング(IPC)と呼ばれる、虚血とそれに続く再灌流の繰り返しのエピソードは、細胞傷害を遅らせる内因性の保護メカニズムを表しています。IPCはまた、血流を増加させ、内皮機能を改善します。IPCは運動パフォーマンスと最大酸素消費量を改善すると仮定します。この研究の目的は、健康な個人のサイクリング運動パフォーマンスに対する脚骨格筋の虚血性プレコンディショニングの効果を調べることでした。15人の健康でよく訓練された被験者が、自転車エルゴメーターで2回の増分最大運動テストを実行しました。電力出力、酸素消費量、換気、呼吸商、および心拍数を継続的に測定しました。試験の前後に血圧と血中乳酸を測定した。虚血性プレコンディショニングを適用した後、5分間の休息期間を挟んで両脚に3つの一連の5分間虚血のプロトコルを使用して、1回の運動テストを実施しました。他の最大サイクリングテストは、コントロールとして機能しました。テストは、少なくとも1週間おきに、1日の同じ時間に釣り合いのとれた順序で実施されました。繰り返される虚血期間は、最大酸素消費量を56.8から58.4 ml / min / kgに大幅に増加させました(P = 0.003)。最大出力は366から372Wに大幅に増加しました(P = 0.05)。虚血性プレコンディショニングは、換気、呼吸商、最大心拍数、血圧、または血中乳酸に影響を与えませんでした。インクリメンタル自転車運動テストの前に繰り返される短期間の脚虚血は、最大酸素消費量を3%、出力を1.6%改善します。虚血性プレコンディショニングの効果を模倣することが示唆されているこのプロトコルは、運動パフォーマンスに重要な影響を与える可能性があります。